有機JAS認証を受けて有機栽培による農業生産を行うには、生産行程管理責任者と呼ばれる農場(圃場)全体の生産プロセスを管理する計画を立案して推進する責任者を置かなければなりません。
厳格に定められている有機JSA規格に沿った農業生産を行うことは、有機JAS認定農家にとって最も重要な責務ですので、生産行程管理責任者の果たす役割は非常に重要です。
有機JAS認証を得て農業生産を行う際に必要な生産行程管理責任者について、求められる条件や、実際に行うべき業務などについて詳しく解説します。
有機JAS認証の生産行程管理責任者とは
有機JAS認証の生産行程管理責任者とは、有機食品の検査認証制度である有機JAS認証において、有機栽培を行う農家が必ず置かなければならない生産工程全体を管理および把握する責任者のことです。
いわゆる慣行農業の生産方法とは大きく異なる有機JASに基づいた農業生産を行うために、生産行程管理責任者は農場におけるJAS規格を順守するための管理や把握のための計画を立案します。
生産行程管理責任者には、農業生産に3年以上の従事した経験があることが求められます。
ただし、最終学歴として中学あるいは高校を卒業している場合には2年以上の農業生産への従事、また大学で農業に関わる科目の単位を取得している場合には1年以上の農業生産への従事によって資格が得られます。
また、生産工程管理責任者になるには必ず、有機JASの認証機関が指定する講習会に参加して、有機農産物の生産などに関する行程の管理や把握を行う方法について学ばなければなりません。
有機JAS認証の生産行程管理担当者とは
有機JAS認証制度の生産工程管理担当者とは、有機農産物の生産のために農場(圃場)の管理や把握を行う計画の立案と推進を担当する役割のことで、生産行程管理担当者のなかから1名が生産行程管理責任者となります。
農場の規模によっては生産行程管理担当者が1人しかいない場合には、担当者がそのまま生産行程管理責任者として有機農産物の生産活動全体のプロセスを管理する計画の立案と推進の責任を負います。
また、複数の生産行程管理担当者がいる場合には、そのうちの1人を生産行程管理責任者として選任します。
有機JAS認証の生産行程管理責任者のやることリスト
行程管理責任者は、有機栽培を行う農場(圃場)で起こる全ての事柄について管理し、把握しなければなりませんが、具体的に行わなければならない事項としては次のように定められています。
- 生産行程の管理と把握のための計画の立案と推進
- 外注先の選定基準や外注内容などの管理と把握のための計画の立案と推進
- 生産行程に異常が発生した際の対処や指導
生産行程管理責任者には、有機JAS認証に則った生産行程を管理すること、把握することについて、具体的な計画の立案と共に、生産現場において計画を推進していく役割が求められています。
有機JAS認証の生産行程管理責任者の重要性
有機JASを付加価値として農産物を出荷する有機農家にとって、農場の全体像を俯瞰的に確認しながら、JAS規格に準拠した適切な生産をするための計画や管理、把握を行う生産行程管理責任者の果たす役割は非常に重要です。
株式会社京谷商会では、2022年2月に有機JAS認証の取得のための具体的な手続きを開始する予定で、すでに生産行程管理責任者を担うスタッフが講習会を受講しています。